安定した長期的な勤務を実現するために、障害特性を会社に正確に理解してもらい、適切な配慮を得ることは非常に重要です。
2024年に施行された「改正障害者差別解消法」では、行政機関や民間企業に対し、障害を理由とした不当な差別的取り扱いを禁止しています。
また、この法律に基づき、行政機関と民間企業に対し、障害のある方からの申し出に応じて、過重な負担にならない範囲で合理的配慮の提供を義務づけています。
したがって、障害のある方が長期的に安定して働くためには、この配慮事項を明確に伝えることが、企業とご自身双方にとって、極めて重要な項目となります。
特に障害種別毎に具体的に伝えることが大切です。
・お体の状況や症状、障害特性(得意なこと、苦手なこと)など
・それに対する自己対処法
・企業に求める配慮事項
これら3点をセットで、具体的に伝えることが大切です。
その上で、以下①-②を意識して記載しましょう。
①求める配慮の選択項目
正確かつ具体的に選択・入力しましょう。
ご自身の障害特性に起因し、業務遂行に不可欠な配慮のみを記載します。
障害に起因しない苦手なことに対する配慮は、原則として合理的配慮の対象外になるため、お伝えしたいことであれば、履歴書の自由記述欄に記載しましょう。
また、求人の業務内容をよく確認し、業務内容の中で配慮が必要なことがあれば、自由記述欄で具体的に記載しましょう。
②配慮の自由記述欄
配慮の必要性を具体的に伝えるために、以下をしっかりと記載しましょう。
・通院状況
定期的な通院の有無や頻度、曜日など通院にあたり必要な配慮等あれば記載しましょう。
・服薬状況
服薬の有無、業務への影響を記載しましょう。
・現在の症状
現在の症状と合わせて、体調不良になる起因事項を記載しましょう。
・具体的な配慮や自己対処法
立ち仕事や重量物の運搬など障害に関連する制限がある場合は、具体的な配慮内容と自己対処を書きましょう。
【配慮項目の選択、それに関する自由記述欄の記載例】
■選択例:通院配慮
・私は●●障害のため、医師の指示のもとで定期的に月に1度通院する必要があります。
・現在、服薬中で毎日の服薬が必要です。
・服薬の副作用で眠気を感じた際は、短時間の離席や休憩の許可をいただけると助かります。現在、服薬による業務への大きな支障は出ておりません。
■選択例:指示の具体化の配慮・ヘッドホン可
・私は●●障害のため、集中することや情報整理が苦手です。
・特に、周囲の音環境や人の動きにより、注意が逸れやすい特性があるため、可能であれば、人の出入りが少ない端の席を希望します。
・周囲の音に対しては、イヤホンをつけて集中する工夫を行っています。
・自己対処として、業務指示を受けた時はメモを取るよう徹底しています。
・業務指示は、箇条書きで提示いただくと理解がしやすくなります。
■選択例:電話への配慮
・外線(外部からの電話)対応を完全に免除し、内線のみ対応する業務配慮をお願いします。
・緊急性の高い電話、クレーム対応など感情労働につながる電話はストレスが大きく感じやすいため、配慮を希望します。
■選択例:定期面談
・私は●●障害のため、口頭での状況説明や、突発的な質問に対する対応に時間がかかることがあります。
・面談の頻度の希望は月に1度の設定を希望し、面談内容は事前に共有を希望します。
・面談中はメモを取れる環境を準備いただき、議事録は書面もしくはメールで共有を希望します。また、個室での実施を希望します。
■選択例:業務量配慮
・マルチタスクや突発的な業務が発生した場合、作業の切り替えや優先順位のつけ方が難しくなりやすい傾向があります。
・業務量のご相談のしやすい環境、状況確認をしていただく声掛けを希望します。